いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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ブラジル人の不安

ワールドカップ抽選会からしばらくたった今、いろいろなところで予想が行われている。
サッカーファンは大会までの半年間、夢のある予想を楽しめる。
いい時期だと思う。

今日はブラジルに関して考えたいと思う。
来年のドイツ大会では今現在、優勝候補筆頭という声が大多数だ!
ロナウジーニョ、カカ、ロナウドロビーニョアドリアーノなど
破格の攻撃力を持つタレントを要することがその理由になっている
ようである。
しかし、
これまでの大会で優勝候補筆頭が優勝したことがないのが
ワールドカップだというデータ、ヨーロッパの大会では
スウェーデン大会を除いてヨーロッパ以外の国が優勝できないという
ジンクス。いろいろいわれているが、来年の大会でのブラジル人の
不安はどのようなものだろう?

抽選会が終了したあとのブラジルのTV番組の様子が写しだされている
様子をみることがあった。そこで番組に出席しているゲストの発言の中に
「2位になってしまうとイタリアとあたってしまう。」
というのがあった。まさしく、私も同じような感覚だ!
おそらく古くからの世界中のサッカーファンも同じ感覚なのでは
ないだろうか?
その感覚とはまぎれもなく’82年大会バルセロナ、サリアスタジアム
のあまりにも大きなショックがあるからなのだと思う。

’82スペイン年大会を振り返ってみよう。
’82大会前、優勝候補は前年のヨーロッパツアーでヨーロッパの強豪に
対してすべて完勝しているブラジルが筆頭。
それと、ヨーロッパ予選で8戦全勝で得点33、失点2?で勝ち上がってきた
ルンメニゲ、ブライトナー擁する西ドイツが対抗。
それと地元スペインがどこまで勝ち上がるかという予測だったと記憶している。
それにブラジルは前回アルゼンチン大会でデビューしたジーコに、アルゼンチン
大会では監督のコウチーニュとの確執で代表辞退したパウロ・ロベルト・ファルカン
それにソクラテストニーニョ・セレーゾを加えた夢の中盤がその前評判に
拍車をかけていた。
大会が始まってみると緒戦のソビエト戦では多少苦労しながらもエデルの
強烈な左足で乗り切り、その後も破壊的な攻撃力と魅惑の中盤、両サイドの
頻繁なオーバーラップなどにより、1次リーグを3戦全勝8得点で抜け出し、
2次リーグに入ってからもアルゼンチン戦で前回優勝メンバーに
ラモン・ディアスマラドーナを擁するチームを完膚なきまでに打ちのめした
印象の試合であった。
そのころには、当時中継していたNHKの水野アナウンサーが
「優勝は誰に聞いてもブラジルというスペインの街!」
とイタリア戦の試合中に叫んだように、もう圧倒的な戦力で優勝が確信されていた
状態であった。
その状態で迎えたのがイタリア戦であった。

イタリアはアルゼンチン大会で一躍スターダムののし上がったパオロ・ロッシ
八百長事件の2年間の出場停止明けで調子があがらず、ブラジル戦まで
ノーゴールであった。当時のイタリアのFWにはベッテガなどの有能な選手も
いたが、やはりロッシの復活がなければ勝ち抜いていくのは難しいと見られていた。
このイタリアvsブラジル戦、ロッシの復活のハットトリックトニーニョ・セレーゾ
ミスもありイタリアが勝つのだが、冷静に考えると、これにはやはり日程面での
有利、不利が大きく左右したとも言えよう。この大会は初めて24チーム参加となり
1次リーグを勝ち抜いた後に今のような決勝トーナメントではなく、2次リーグという
ものが存在した。この2次リーグ制はどうなっていたかというと、3チームのリーグ戦で、
最初、イタリアとアルゼンチンが戦ったが、その日はブラジルは試合がない。
その後、アルゼンチンvsブラジル、ここではイタリアは休養日、
終戦でイタリアvsブラジル戦となったが、ここではブラジルが中2日での
試合だったのに対して、イタリアは中5日と休養充分だったのだ!
その影響からか、エデルのシュートは精度を欠き、セレーゾのミスとなったのだと思う。
何せ当時のスペインでは試合中は40度もの暑さだったのだ。

というこで、この余りにもショッキングなイタリア戦の敗戦により
ブラジル人が受けたショックは計り知れないものがあったと思う。
それが、今現在になってもなおイタリアに対して必要以上にイヤな
感じをもっているのだ!

私の個人的な話しになってしまうが、
アルゼンチン大会を初めてTVで観て依頼、
野球しか熱狂的なスポーツを知らなかった私は、こんな熱狂的な
スポーツが地球上に存在するのかというショックを受けた。
私が知っているサッカーとは高校選手権であり、閑散としたスタンド
で一生懸命走っているだけのマイナースポーツであった。
中学の体育の先生が、世界で最も人気のあるスポーツは
サッカーで、野球ではないということに疑問を持っていたが、
アルゼンチン大会をTVで観てそのことが納得できたのをよく覚えている。

その4年後に、ワクワクしながら迎えたのがスペイン大会であったのだ。
当時、浪人生活を下宿で過ごしていた時期であった。
もともと、ヨーロッパサッカーが好きでアンチ南米であったため
イタリアvsブラジル戦も、下宿の友人たちには、
ロッシとGKのディノ・ゾフを注目しておいてくれと言い残して
近くの友人のアパートにTVを見に行った。
下宿の友人たちは初めて観るワールドカップでのブラジルに
魅了されブラジルサッカーの虜になっていたのだった。
試合は私が指摘した2人の活躍でイタリアが勝ったが、
試合中は手に汗握る展開で試合が終わっても頭に熱があるような
感覚で次の日の夜まで興奮状態だった。私も友人のアパートから
朝方4時か5時くらいに帰ったが、試合終了から2時間以上
経っているにもかかわらず、友人たちも眠れずに布団に入りながらも
目を開けたままの放心状態だったのはおかしかった!
この試合は未だに私が、スポーツTV観戦史上最高の試合となっている。
そんな試合だったのだ!!

話しが長くなってしまったが、
イタリアはほとんどの場合1次リーグは苦労する歴史がある。
たぶん今回もギリギリ2位で決勝トーナメントに進出するだろう。
そして、ブラジルは1次リーグを破竹の勢いで突破し、優勝確実との評判の中
イタリアのトニかジラルディーノに打ち破られるのでないか?
そんな気がして仕方ない。
私としてはそれを観たい。
常にワールドカップではブラジルが敗れる試合がベストマッチとなるのだ!