いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

Yahoo!ブログで書いていた「水平線の先にある夢」の続きをこちらで書いています。2018以前のコメント付き過去記事はFC2ブログにあります。https://w2002moni.blog.fc2.com/

コジマ電気のエアコン気密工事って?そもそも目的が???

コジマ電気のエアコン気密工事を始めたらしい。
http://www.kojima.net/shop/shopnews/ne012/index.htm

今、エアコンの設置工事業者を探している僕としてはうれしいニュースではある。しかし・・・

実際に工事業者選定のためにいろいろ調べてみた。
すると現状の通常行なわれている工事では2つの問題があることがわかった。

1つは、エアコン設置のときに行なうエアパージという処置でフロンガスによるエアパージが行なわれているという手抜きが横行しているらいいこと。
これは正しくは20分ほどかけて真空抜きという正しい方法で行なわなければならないそうです。
ここでは主題じゃないので詳しく知りたい方は以下のサイトをご覧ください。
http://members.at.infoseek.co.jp/aircon2003/

もう1つの問題はかねてから僕が個人的に気になっていた問題で、壁に穴を開ける時に壁内の断熱材の処理をどうしているのかということ。
これはもう以下のサイトでも語られている通り、現実には何も対策が行なわれていないに等しいということがわかりました。(やっぱり)
http://www.e-kodate.com/cgi-local/mibbs.cgi?mode=point&fol=qa&tn=2968

そもそもエアコンの工事をする業者は最近の木造住宅の壁内のつくりとしくみに詳しくないようです。
最近の木造住宅では壁内に断熱材を入れますが、その種類は多種多様であるのですが、エアコンの穴を開けることに関して言えば大きく2つに分類すればいいかと思います。

防湿層を必要とする断熱材:グラスウール、ロックウール、セルローズファイバー、パーフェクトバリアなどの繊維系の断熱材
防湿層を必要としない断熱材:プラスチック系(スチレン、ウレタン、フェノール)の断熱材と自然系(羊毛[ウール]、発砲炭化コルク、など)の断熱材
参考

上記のようにいろいろありますが、一般の建売住宅、売建(建築条件付)、ハウスメーカーで建てた家などはほとんどが防湿層を必要とする断熱材のグラスウール、ロックウールでしょう。(安いからね!)
これは断熱材の透湿抵抗の性質が違うからであり、防湿層が必要ない自然系の断熱材などはそれ自身で水蒸気を逃がす性質があるから防湿層がいらないわけです。
防湿層を必要とする断熱材であるグラスウール、ロックウールはポリエチレンフィルムを断熱材の室内側に施工しなければならないんです。
ただ、実際の日本の現場では袋入りのグラスウールなどが多く室内側にミミと言われる部分が付いており、これを気密テープで断熱材の隣の袋とつなぐことで防湿層がつくれるようになっています。
もし、防湿層がないとグラスウールが室内側からの水蒸気にさらされて結露し、壁体内結露と言って壁の中の木部を腐らせてしまうんです。断熱材を使わなかった昔では起こらなかった現象が今はあるんですね。

ということなので壁の中の防湿層をつくっている断熱材の袋(ポリエチレンフィルム)は重要で破ってはいけないんです。
このことを見積もりに来た業者さんに質問しましたが、穴を開けるところに断熱材があればそこの部分の袋は破れることになるというだけでこういう防湿層や断熱材の種類、気密施工などのことは何も知識がなさそうでした。
日本のエアコン工事の現状はこんなもんなんです。

今回のコジマ電気の宣伝を見ても、強調しているのは、気密住宅の部屋内部の機密のことばかりです。
実際にはこちらよりも壁体内結露を誘引する防湿層のフィルムを破ってしまうことの方が重要だと思うのですが。。。

僕は何が何でも高断熱・高気密派というわけではありませんが、素人の僕が知っているいるようなことなのです。
エアコン設置業者は住宅業界のプロなのでもうちょっと勉強してもらいたいものです。