いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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「ガンバ大阪vsマンチェスターU」、笑顔はいらない!!

昨日のクラブワールドカップ(以降CWC)準決勝「ガンバ大阪vsマンチェスタターU」戦、
全体的な寸評はガンバ大阪の健闘と見所の多かったいい試合とのようである。

前身のトヨタカップインターコンチネンタルカップ)時代はヨーロッパと南米だけで
世界一のクラブを決めてきたわけであるが、4年前から全大陸のチャンピオンチームが
集まっての真の世界一を決める大会となった。

それによって、日本のJリーグチームも世界一を目指すシステムが出来上がって
これまで、消極的だったアジアの大会であるACL(アジアチャンピオンズリーグ[旧アジアクラブ選手権])
にも本気で取り組むようになった。
アジアの大会は遠征費用とかスケジュールを考えると、勝ち抜くほど赤字になるという
こともあって日本のチームは力を入れていなかった。
これはヨーロッパチャンピオンズリーグ(以降UCL)が莫大なテレビ放映権をバックボーンにして
出場チームが勝ち抜くほどに十分な報酬を得られる仕組みとは程遠いものがある。

日本のチームもCWCに出場してヨーロッパの強豪チームと戦えるという道ができたので
去年は浦和レッズ、今年はガンバ大阪が過酷なアジアの戦いを制覇してこの大会に挑んだ。
ACLに出場するためには、かつてはJリーグ優勝チームと天皇杯優勝チームの2チームが
翌年参加して(注:来年からはJリーグ上位3チームと天皇杯優勝チームの計4チームが参加できる)
2年越しでアジアの頂点を目指して戦ったわけで、
CWCでヨーロッパの強豪チームと
真剣勝負できるところまで来るのは月に行くほどに遠い。
(ヨーロッパやその他の大陸チャンピオンチームも同じであるが)

そんな、背景があって、昨日、待ちに待った試合が行なわれたのだ。


サッカーというスポーツはチーム力に勝るチームが必ず勝つというわけではなく
弱いと思われていたチームが番狂わせを起こすことが多いスポーツだと言われる。
その場合、チーム力の劣るチームは守りを固めて少ないチャンスを生かして
1-0(または0-0でPK戦)で勝つというシナリオが多い。
これはチーム力が劣るチームの常套手段である。

現在のガンバ大阪西野監督アトランタ五輪で日本がブラジルを破ったときの監督である。
あの試合では、日本は守りを固めて守って守って1チャンスの伊東のゴールで1-0で勝利し
今でもマイアミの奇跡と言われる戦いを経験している。
しかし、勝ったにもかかわらず、大会後の日本サッカー協会の強化委員会のレポートには
守備的に戦って得るものがなかったとの酷評を監督采配に対して下していた。
これは西野さんがどこかのインタビューでも不満を漏らしていた。
現状のチーム力で勝つための戦い方をして、それで勝って評価しないということに対してである。

その後、西野さんは攻撃的チームを目指してチーム作りをしてきた。
今回のガンバ大阪はまさに攻撃のチームであり、世界にマイアミのときとは違う
「西野」を世界に披露する機会でもあったわけだ。

マンUスターティング・メンバーは、期待のウェイン・ルーニーパク・チソンが先発から外れるということは
あったもののC.ロナウドスコールズ、ギッグスもでているしまあまあのメンバー。
対するガンバ大阪は二川と佐々木がケガで欠場であった。
佐々木は途中出場で威力を発揮するし、なんと言っても二川は遠藤と並ぶ
中盤のファンタジスタである。この欠場はかなり痛かった!

試合が始まってみると、双方ともにゴール前まで行くシーンが多く期待させる展開。
これでガンバ大阪が先制してくれれば面白くなるなと誰もが思ったはずだった。
守備に多くの人数を咲く訳でもないガンバは流れの中では何とか失点を免れていたものの
コーナーキックで前半に2失点してしまった。

この2得点では2点とも審判によってはプッシングを取ったかもしれない。
(ガンバはホームということもあるし)
これがW杯の開催国の試合だったらもうちょっと違ったかもしれない。
1点目は山口がジャンプする前にビディッチの肘で肩を押さえられていたし、
2点目はC.ロナウドが手で明神を押していた。
(ナショナルレベルであれば反則ととられない許容範囲だった?それとも審判が見逃した?)
しかし、こんなときでも日本の選手は審判に抗議しないんですね。
これ、日本人の美学でしょう。
これがブラジル人あたりに言わせるとマリーシアが足りないとなる。
1点目で抗議していれば、審判にプレッシャーを与えることが出来て2点目のシーンでは
反則を取ってもらえるなどということなのでしょう。
でも、これ、いくら言われても根本的に日本人の文化と反するんですね。
(それでもかなり昔よりはマリーシアともとれる行動を起こす選手は多くなったけど)

前半が終わったあたりで、もう勝負ありといった雰囲気になってしまった。

しかし、後半、見事な展開から山崎がゴールを決めて俄然面白くなった!
と思いきや、画面が切り替わるとすぐに入ったばかりのルーニーに3点目を許してしまった。
その後、次々と決められ5-1。
しかし、その間もガンバは攻め続け、いいシュートがあったり、遠藤のFKがあったりと
なかなかいいシーンもあった。

そして、残り時間が少なくなってから安田のクロスをガリー・ネビルがハンドでPK。
遠藤のコロコロPKが世界に披露される期待の場面が訪れた。
いい見せ場が来た!
さすがに遠藤もエドウィンファンデルサールの癖は研究済みであり、
(遠藤は中村俊輔と仲がいいから、UCLでファンデルサールからFKで2点取った俊輔から情報を得ていたのか?)
蹴る直前まで動かないのを見て少し強めに隅にゴロで決めて見せた。
GKが動けば、コロコロを逆に転がす。GKが動かなければ強めのゴロを隅に決める。
これができる人はそうはいないが、PK職人、アッパレ!である。

そして終了間際にはまたまた見事な崩しから橋本のファインゴール!
険しい顔のファンデルサールとは違って橋本は笑っていました。
しかし、この時点で時間はまだ3分弱あったように思いました。
笑ってないで、早く試合を再開するために必死な顔が見たかった。
まだ、勝つためには2点リードされてるんだよ!

この大会での歴史が浅いからか、マンU、ガンバともまだ試合中に笑い顔が見えた。
W杯本大会やW杯予選、UEFAチャンピオンズリーグ決勝などでは絶対に見られない笑顔である。
マンUの選手には余裕があり、ガンバの選手には超一流との対戦にぜったい勝つというより
あこがれの選手やスター選手との競演を楽しむという感覚になっているんだと思う。
やっぱりFIFAの公式戦になったから、ガンバが2点リードして終盤を
迎える展開になり、マンUの選手、ベンチの焦る顔が見たかった。
早くそういう時代になって欲しい。
それには、レッズやガンバの選手がまた来年UAEの大会に出られればとも思う。
そうすればもう、そういう気分ではなく勝利というものだけを求めて戦ってくれるのではないか
と思うからだ。
人間、2回目には体験ではなく結果を求めるものだから。(見ている側もしかり)

安田君とC.ロナウドは1対1の場面が攻撃でも守備でも多く楽しめたマッチアップでしたね!
しかし、安田君もC.ロナウドも試合中に笑顔が見られましたね。
ここで安田君がC.ロナウドを守備ではともかく、
攻撃では翻弄しないと日本はW杯で優勝できないんですよね。
いつか、C.ロナウドのユニフォームではなく、
C.ロナウドにあげた安田君のユニフォームの方が貴重なものになるよう期待したいものです!