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開幕戦は「ベルギーvsアルゼンチン」


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ここでは、1982年スペインワールドカップの観戦記のコラムを連載しています。
コラム一覧はこちらです。
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待ちに待ったワールドカップが始まった。

開幕戦は前回優勝のアルゼンチンの登場である。

以前のワールドカップでは開幕戦は開催国が登場していた。

1974年の西ドイツ大会まで開催国が開幕戦を戦うレギュレーションだったのを

1978年アルゼンチン大会から現行の前回優勝国に変更したのだ。

解説の岡野俊一郎さんがそういうことを言っていたのを今でも覚えている。



さて、今回のアルゼンチンは前回優勝メンバーに1979年ワールドユース日本大会の

優勝メンバーであるラモン・ディアスディエゴ・マラドーナを加えた布陣である。

前回大会で大活躍したマリオ・ケンペスバレンシアで本調子ではなく、

バルセロナで活躍しているマラドーナがどこまでやるのかということが注目の的だった。




対するベルギーは3大会ぶり6度目の出場。

老将ギー・ティース監督率いてストライカーのバンデンベルグと左サイドバック

ゲレツが目立つぐらいの戦力でどこまでやれるのか?

それでも僕はアンチ南米だったから大いに期待していた。

両チームの先発メンバーは以下の通りだった。

なんとも懐かしいメンバーではないか!!!

ベルギー

GK プファフ
DF ゲレツ
   L・ミルキャン
   バエク
   デ・シェリベール
MF バンデルミッセン
   コエック
   チェルニアチンスキ
   ベルコーテルン
FW クーレマンス
   バンデンベルグ

アルゼンチン

GK フィジョール
DF オルギン
   ルイス・ガルバン
   パサレラ
   タランティーニ
MF アルディレス
   ガジェゴ
   マラドーナ
   ベルトーニ
FW ケンペス
   ディアス



そして、キックオフ直前。

マラドーナがペナルティスポットあたりでリフティングしている。

試合開始が待ち遠しくてしかたがない様子だ。

そしてキックオフの笛が鳴らされた。





試合は攻めるアルゼンチンに対し、堅い守りからカウンターを伺うベルギーという

予想された形となった。

マラドーナは徹底マークである。

マラドーナがボールを持つと3人ぐらいですばやく囲み、ファウル覚悟でタックルを見舞う。

マラドーナも慣れたもので大きく顎を上げて大げさに倒れこむ。

この頃はあまり南米のマリーシアには判定が厳しくなかったけれど、

今であれば確実にシミュレーションを取られて流されるか、何回もやったらイエローカード

でるだろう。



前半は0-0で終了した。ベルギーの狙い通りの展開かもしれなかった。


後半も似たような展開だ。ベルギーの攻撃はこの頃のポーランドと同じように

サイドバックあたりから前線へ長いロングパスが繰り出される。

ときどきそれが見事に決まるのだ。

ベルギーでは前述した2人以外にもチェルニアチンスキ、ベルコーテルンと

FWのクーレマンスなかなかのスキルを持っているようだった。

そうこうしているうちに63分(後半18分)ついにベルギーのバンデンベルグ

が均衡を破るゴールを入れる。

アルゼンチンのオフサイドトラップを逆手に取る見事なゴールだった。



それからアルゼンチンの猛攻が始まった。

そのたびにベルギーのGKジャン・マリー・プファフが見事なパフォーマンスでストップする。

ケンペスのあわやゴールという場面でも信じられない反応で防いでいた。

そしてついにタイムアップ。



開幕戦から前回優勝チームが敗れるという波乱の幕開けとなった。

僕はアルゼンチンが負けて上機嫌だった。

そしてNHKの放送が終わる最後のアナウンサー(水野氏か波佐間氏)言葉が印象的だった。

マラドーナ爆発せず。                                       スペイン、バルセロナのノウ・カンプスタジアムから失礼します。」


※注 1982年当時、日本では「カンプ・ノウ」ではなく「ノウ・カンプ」と言っていた。