いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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攻撃的サッカーをしても負けてしまえば進歩はない

 
今大会はディフェンシブな戦いをして好結果を残しているチームが多い。

日本、スイス、ニュージーランドスロバキアウルグアイ
などがそういうカテゴリーに入るだろう。


こういう現状で必ず出てくるのが、守備的な戦い方に対する批判である。
”守備的に戦っても未来がない”とか”守備的でつまらない”とか
竹の子のように噴出してくる。

果たしてそうだろうか?

僕は否だと思う。

守備的だと試合がつまらないだろうか?
ゴールシーンが少なくなることはあるだろう。
しかし、サッカーとはもともとロースコアのゲームであり
だからこそ波乱が生まれ、弱い方のチームにもチャンスがある。
そこが魅力のスポーツでもあるのだ。
点が沢山入るところを見たければ、バスケットボールでも見ていればいい。


対戦する両チームが攻撃的なら面白い試合か?
そうではないと思う。
今大会でも北朝鮮は初戦のブラジル戦ではディフェンスを固め
もしかしたらと思わせる展開まで持っていった。
結果は1-2でそれなりに見ごたえがあったものだ。

次のポルトガル戦では従来の堅守速攻を捨ててなりふり構わず攻めに出た。
前半はそれでポルトガルも慌てたかもしれない。
見ているこちらも、”やればできるんじゃないか?”と思ったほどだ。
しかし、結局得点は奪えず、後半になって疲れが出て7失点で大敗してしまった。
こういう大差がつくゲームが面白いだろうか?
僕は決してそうは思わない。
やはり、力が大きく劣るチームはディフェンシブに行って綺麗な展開のゲームにならなくてもいいから
クロスゲームで進行して欲しいと思うのだ。



もう一つの例を挙げるとチリになる。
今大会なかなか攻撃的なので評判のいいチリではあるが、
決勝トーナメント1回戦でブラジルに0-3であっけなく敗れ去った。
力が上のブラジルに対して、いつものように攻撃的にいって
力の差のまま敗れたのである。
これは、まったくの無策というしかない。

結局攻撃的サッカーをしてもあっさり負けてしまっては見ている方も面白くないのだ。
勇気を持って自分達のスタイルで攻めたという意見もあるようだが、
まったくもって無謀というしかないし、相手の思うつぼだろう。

べた引きしても1-0でスペインに勝ったスイスの方が感動的な試合をしたと思う。


サッカーのゲームというのは自チームと相手チームとの相対的なチーム力とか
ストロングポイント生かす、ウィークポイントを突くという駆け引きが面白いのだ。

日本代表にいつもべた引きして守れというつもりは無い。
アジア予選や力が同等レベルであるチームとは打ち合いを演じてもいいのだ。
そういう戦いをするなかで強豪国と打ち合っても勝ち目があるレベルまで
来ているのなら守備的な戦いを選択する必要はないだろう。
しかし、現状ではそういう戦力はないのだから守備的に戦って少しでも
勝機を見出すしかないではないか?


次期、日本代表監督にチリのビエルサ監督がリストアップされているらしい。
ビエルサは攻撃力のあるいいチームは作るだろう。
しかし、国際トーナメントで駆け引きをしながら勝てる戦い方を取る監督ではないと思う。
ワールドカップ以外の大会ではそれなりに結果を残しているものの
ワールドカップではアルゼンチンを率いて2002年の日韓大会ではGL落ちしているし
今大会のチリにおいても戦い方を変えて格上のチームに勝つようなことはできていない。

そういう意味ではスイスのヒッツフェルトの方が望ましい。

何はともあれ、チーム力を向上させることと、実際の試合では臨機応変に戦略を練るという両面が必要なのだ。

言い換えれば、育成能力と戦略家である両面を持ち合わせた監督が日本を率いて欲しいと思うのだ。


よく”守備的サッカーをやって勝っても進歩がない”などと言われることがある。
そのような意見にはまったく賛同できない。
攻撃的に行っても負ければ成長しないし、自身も出てこない。

代表チームということであれば、監督が変わるたびにチームの作り方も戦い方も変わる。
継続性など求める方が無理があると思うのだ。

監督の選抜が絵に描いたような積み上げ方式が出来ないことはこれまでの過程をみればわかることなのだ。

勝利の記憶を重ねていく。
その勝利に至るまでの過程を日本人が国民全体で記憶する。
そういうことの方が代表チームの進歩につながることだと思う。

試合の結果こそが重要なのだ。
プレースタイル?そんなものは勝ってから考えればいいことだ。