いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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眩暈、ついに完全読了しました!

いつものとおり約3週間ほどかかってやっと読み終わりました。

この本を書いた当時の島田荘司は本格趣向を強めて立て続けに4作品の御手洗ものの大作を出しました。

いずれも700ページもある大作です。

暗闇坂の人喰いの木
水晶のピラミッド
眩暈
アトポス

の4作品のことです。

この4作品の中ではこの眩暈だけ
松崎レオナ嬢が出てこない作品になっている。
それでもこの作品においても島田荘司の女性感は存分に味わうことができる。

この作品は原点に帰ったという印象が強いです。
それはやはり「占星術殺人事件」を登場させるだけではなくてお得意の手記から始まる出だしやいつもながらの壮大なトリック。
それと御手洗くんと石岡くんが早めに登場してあちこち調べ回るという動きの多さが
読みにくい島田作品を和らげてくれます。

それとこの作品では社会的ないろいろな問題を提起しており、その幅広さが特筆ものです。

環境汚染、薬害、有害物質、差別、など
多岐に渡ります。

読後感はちょっと謎を残した感があります。

ここから先はネタバレなので読んでない方は読まないで下さいね。



読んだあと、ネット検索でこの作品の感想を読むと、
圧倒的に多いのが富子が襲われたシーンのところです。
これは野辺恭子だと思われます。
ここと最後の方で恭子が同性愛者だとわかります。
この作品は同性愛もひとつのテーマになっていてなんと
三崎淘汰、旭屋架十郎、野辺喬子、加鳥
の4人が同性愛者だったことになります。

なんだかなぁ。

僕が最後にわからなかったのは
石岡くんが言ったことで
御手洗は三崎淘汰を助けたというところです。
どこをどう助けたのか?
刑事の丹下に嘘の説明をしたこと?
死体を日本に移動させたことを。。。
しかし御手洗が丹下に説明したように三崎淘汰は手が不自由であんなに死体を切断できなかったとも取れる。

どちらにしてもこの作品でも島田荘司得意のけむに巻くような無駄な?余計な描写が多かったけれども、
まっそれがいいのかもしれませんねぇ。(^-^)/f(^^;