「その日のまえに」・・・朝日のあたる家 - いつも笑顔で！（「水平線の先にある夢」の続きブログ）

「朝日のあたる家」

ひとつの物語が終わって、こんどは次のお話し。
短編集なのかな？
と思ってました。

これは、夫を若くして心臓発作で亡くした女性教師の体験物語風になってます。
奇しくも、一人娘は父親の面影も残ってなく、物心ついたころから父親がいないまま育ってます。

主題は、その娘さんの話しではなく、教え子の境遇にあたってます。

朝のジョギング中に会った男性の教え子が写真家を目指しつつもフリーターとして
コンビニでアルバイトしていて、高校時代に好きだった子と不倫をしているという設定。
それもその不倫相手のコンビニでの万引きを見逃す行為を慢性化させている状態でのお話し。

不倫相手の同級生は夫とうまくいっておらず、毎日が嫌になり朝日を見るのが怖い状態。

しかし、ある日万引きが見つかり警察沙汰になってしまう。
その後、教え子の男性はその不倫相手をかっさらってしまう。
そして、先生の家へ逃げ込んで、朝日を見ながら再起を誓うという流れ。

都会暮らしをしていると、ときどきこういう気持ちになることはあるでしょう。
しかしねー。万引きがお金ではく性癖というのはあまり理解できません。
ちょっとこういう人を好きになるというのもねー。

この本の中で、この物語だけちょっと趣向が違います。
誰かが癌でもうすぐ亡くなるという話しではないのです。

しいてあげれば、先生の旦那さんが依然、突然死で亡くなったことぐらい。
ちょっと他の物語との接点が見えにくかった物語です。