いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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「その日のまえに」・・・潮騒

 
3つめの章はあるサラリーマンが余命宣告を受けたその日に子供の頃住んでいた海辺の町を訪ねて旧友と会うお話し。

この気分、痛いほどよくわかります。
余命宣告ではなく、甲状腺乳頭癌の告知を受けただけでも同じような気分になったのだから。

こういうとき未来のことま考えますがはやり遠い過去の記憶を辿ってしまうものなのでしょう。

この港町の描写を読んでいて、モデルとなったのは熱海だと思いました。
もう描写そのままなんですよね。あそこが。

昔、連れ合いと他の目的で小田急線に乗ってそのまま熱海まで行ったことがありました。
どうしてもそのときの印象がダブります。
お好み焼き屋でお好み焼きを食べて、砂浜の海岸に出て黄昏ていると、散歩してる初老のおじさんがしみじみと熱海という町のことを語りました。
田舎暮らしがしたくてここに引っ越してきたけれどこの街の住民は3年だか5年は住んでないと仲間に入れてくれないと嘆いていました。
あのときの夕暮れの海岸が舞台なのだとイメージしました。

あまりに印象ぶかかったので2週連続で訪れて同じお好み焼きを食べて同じように海岸で花火を見たような気がします。

熱海にはあれから何度も行ってますが、あのときの印象が未だに強く残っています。

自分が同じように余命宣告されたらやっぱり田舎の海を見たくなるのかな?

季節は惜しむような気がします。
あの輝くような夏には出会えないとか、桜や紅葉はもう見れないとか、雪山にスキーなど行けないとか?

あとは子供の成長した姿かな?

この物語では子供の頃に友人が遭難したときの責任を押し付けられた思い出も語られています。
そういう子供の頃の苦い記憶も誰にでもあるものですね。
それが大人になって懐かしく語られるのに長い時間が必要なのでしょうね。

そんな郷愁に浸れる作品でした。