いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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「抜かす」、「抜かされる」って言う?


これまでこの書庫にはいろいろな言葉を取り上げてきましたが、
今回はこの言葉です。

「抜かす」
「抜かされる」


この言葉は上京してから初めて聞いた言葉です。

この言葉を使っている人の意図している意味は
「抜かす」⇒「(相手を)追い抜く」
「抜かされる」⇒「(相手から)追い抜かれる」
という意味で使っているようです。

僕の感覚では、
追い抜くということを
「抜く」とか「抜こう」とか「抜いてやる」
追い抜かれることを
「抜かれる」(現在形)とか「抜かれた」(過去形)
とは言いますが、「抜かす」「抜かされる」
というようなまるで受動態のような言い方は別の意味に聞こえます。
どういう風に聞こえるかというと、競争をしているときに聞くと
「抜かす」
⇒(自分の意思でわざと相手に自分を追い抜かせる)⇒(相手を先に行かせる)
「抜かされる」
⇒(相手からの意思で自分が相手を追い抜くようにさせられる)⇒(相手が自分を先に行かせる)
という意味に聞こえてしまいます。
まったく逆の意味として聞こえてしまいます。(意思の感覚も違います)

これ、ネット検索してみると、僕と同じように感じている人は多いようで
同じ疑問を投げかけて調べてる人が多いのです。


MIXIでもトピックが立って議論されているようです。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=50225533

そこで、みんな最初は辞書を調べます。
しかし、他の微妙な言葉と同じで辞書では解決できないんです。
辞書にはどちらの言葉も載っていますが、現在のような使い方をとらえて詳しく解説してはいないんです。
もちろん方言というような記述もありません。
では共通語(標準語とはいいません)かと言うとそうとも言い切れないんです。

どうしてかというと、この言葉は地方から上京しているような人が同じような疑問を感じている人が多いということです。

本来の正しい言い方は
「(相手を)追い抜く」
「(相手から)追い抜かれる」
という言い方です。

それを短縮して「(相手を)追い抜く」を単に「抜く」というのはありだと思うんです。
「抜かす」というのは本来、順番に並んでいるものの中から途中のものを抜き出すという意味だと思います。
辞書にもそのようなことが書いてあるし、「追い抜く」「追い越す」という意味は書かれていません。
(参考)
(ただし、よく調べてみると「追い抜く」という意味を掲載している電子辞書もあるようです)

それをいつの日か誰かが誤用して追い抜くことを「抜かす」と言ってしまった。

それが、どういうわけか?ある程度の地域に広まってしまった。

僕の経験では関東地方に広がっているような気がします。
ネット検索すると関西でも使っている人がいるようですが、
これは関東という大きな都市部から飛び広がっている人のみが使っているのではないかというのが
推測です。

最近は長崎の小学校でも言ってる子供がいるらしい。これテレビや転校生の影響かもしれませんね。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q138197093

辞書では測れない言葉があります。

今回の結論は

追い抜くという意味で使う
「抜かす」
追い抜かれるという意味で使う
「抜かされる」
は関東方言であり、スラングの一種。

理由は、上京後、これを言ってる人はみな関東育ちの人ばかりだったから。

首都圏ではよく追い抜かれたときに「抜かされちゃった」なんて言ってる人がいますよね。
やっぱりこれ、地方から来た人には違和感のある言い方です。

以前、「気付かない方言」の特集記事を書いてランキングを紹介しましたが、
もしかしたらこの「抜かす」「抜かされる」こそNo.1の気付かない方言なのかもしれませんね。

みなさんの地域ではどうですか?