合計1000ページぐらいあった龍臥亭事件、やっと読み終えました。
最後に島田作品を長く読んでいる人しかわからない驚きがありました。
本格ミステリー論を展開していた頃の作品なのでかなりそのことを意識していたと感じさせる内容でした。
読んでない人はこの下は読まないでください。
一番の驚きはやっぱり最後の加納道子と名を告げるところでした。
もうがなり忘れている「羽衣伝説の記憶」「飛鳥のガラスの靴」の系譜だったのです。
この作品は御手洗こそ登場しないものの石岡くんが出てくることで、御手洗ものの範疇に入ってくる作品であるが、ここで加納道子が出てくることで吉敷ものとの交錯する初めての作品ではなかったか?
そういうところに感動してしまう。
そして、今後の里美の活躍の伏線もあり今後に期待を持たせてくれた。
ここでまた作品内の表現にちゃちゃを入れてみよう!
・だいたい亡霊に顔がないとはどういうこと?
・菱川幸子の死因があの偶然とは万に一つもないと言い切れるだろう。
たまたま弾が飛び出したとはいえ、弾の向きなどがそう都合よく進行方向を向くとは思えない。
・犬吠菊子の自殺もなんか無理があるなあ!
てもまあ結構楽しめた作品でした!