家の整理のため、それほどこだわりのない本を処分すること行っています。
これはずっと前に本屋さんで購入した本で、そのときの紙のブkックカバーがかかったままになっていました。
そのブックカバーは上京して初めて住んだ相模大野の駅前の本屋さんのものでしたから
もう4回も引っ越しを遡った時代に購入したものです。
それでも上部に少しシミがあるだけでとても綺麗な状態で、帯もついたままになっていました。
辻仁成さんの本は読んだことがなかったのでなんの先入観もなく読んだのですが、
先日読んだ火花/又吉直樹にも似た感じの感覚でしたが、それよりも少しだけ面白く読めました。
この本の中ではミグ25でベレンコ中尉が起こした亡命事件が主人公に大きな影響をもたらしています。
亡命した、人生をリセットしたいという願望がある主人公でしたが、
スナフキンという元友人に言われた言動が心に残りました。
スナフキンから何から亡命したいのかうまく説明できないでいると、
「君の場合は、・・・・・・甘えからの亡命じゃないのか?いいかい、俺達は、この国じゃ誰もが自由なのさ。国籍や境遇や環境なんかは違うかもしれないけど、よその国に比べればずっと自由だよ。俺は、世界中を歩いてみて、日本が一番自由だってことに気づいたよ。小さな問題でトラブルは時々起こっちゃいるけど、発言できなかったり、投獄されたり、処刑されたりってことはないだろう。訴えれば誰だって裁判ができるし、外国人だって金持ちになれる。アメリカよりもずっと自由で安全なんじゃないか?日本は?物は何でもあるし、円は強いし女は美人だしね。この国のシステムを不自由だと思うのは、君が甘えの中にどっぷりつかって生きてきた証拠だよ。」
中学生のとき社会の先生から同じように日本に生まれたのは世界でも幸せなことだと説明されたことがあったけど、今一度そのことを思い出させてくれた気がしました。
やっぱりそういう有難さを感じて前向きに生きていきたいものですね。