吉本ばななのハードカバー本最後の作品。
吉本ばなな作品も
と読んできましたが、これで家にある本は最後の作品となりました。
この「白河夜船」は「白河夜船」、「夜と夜の旅人」、「ある体験」の3つの作品が収められていました。
『白河夜船』
この作品は(しらかわよふね)と読むそうです。
ずっと知りませんでした。
そして、「白河夜船」とは、熟睡して前後を知らないことをいうのだそうです。
そういう知識さえ知らない状態で読みましたから、ある意味プラスの知識は得られました。
先の見えない不倫への不安と、親友の自殺の衝撃から立ち直れず、眠りに逃避するヒロインの心の再生を描かれています。
昔から思うのですが、不倫というのは世の中多いんでしょうかね?
特に男女比で考えると女性の方が年齢が若いうちにするものなんでしょう。
男が若い人を好んで選ぶでしょうから。
吉本ばななの作品を読むのは若いOL中心でしょうから、
こういう作品を読んで、共感を得たりするんでしょうか?
男の自分が読むと、単なる不倫してるけしからんねえちゃんというようにも取れます。
不倫している男性の経済的支援により堕落した毎日を送り、眠っている時間が非常に長いというものすごくうらやましい状態が描かれています。
自分からすると長時間通勤に残業等で睡眠不足気味の毎日を送り、経済的にも楽ではない生活。
世の中、こういう女性もけっこういるんでしょう。
確かに女性には不倫してこういう状態。
独身でこういう状態。
結婚して家事もせずこういう状態。
そんな女の人も多そうです。
どうも男が読んでも共感できない作品に思えます。
ただ、この間WOWOWで映画が放送されたので録画してあります。
それを観たらまた感想を書きたいと思います。
『夜と夜の旅人』
兄を突然の事故で亡くした少女と兄の元彼女であったアメリカ人の留学生、
そして兄と死の直前まで付き合っていた従姉の女性との不思議な絆を描いた作品です。
また、死が絡んでいます。
どうも吉本作品は家族や知人の死が絡んだ作品が多いです。
兄の死後、来日したアメリカ人女性の連れていた子供が現在の旦那の子ではなく兄の子供と気づきます。
現実の世の中でもありそうなことではありますね。
それと、兄を好きだった親戚の子というのがまた現実にいそうな感じの娘でした。
ただ、現実にも兄弟姉妹や友達同士で彼や彼女が別の人と付き合うようになるというのがありますが、
自分からするとこれはできないです。
友達の元カノを自分の彼女にするとか抵抗があるし、
兄弟の元カノを自分の彼女にするとか抵抗があるし、
とにかく自分の知っている男の元カノは自分の彼女にするのは
女性がかわいくても抵抗があります。
ある男女グループと知り合いになって、その後その中のかわいい女性が自分を好きだと告白してきても
その子が以前はそのグループ内の男性を付き合ってたなんていうことを知っていても
その子と付き合うのは抵抗あります。
こだわりすぎでしょうか?
『ある体験』
異国で知らぬ間に逝ってしまった、かつての恋敵の女性に想いを馳せ、
その死んでしまった女性の声を、ある人から催眠術のようなもので聞くという体験をつづった作品。
オカルト的な作品ではあります。
ちょっと現実離れしているようで、本当にあった怖い話のような作品です。
ちょっと感情移入しずらい作品でした。
これで家にあった吉本ばなな作品は読了しました。
吉本ばなな作品は簡単に言うと、やはり連れ合いが言ってたように
若いOLが読むような内容の本で、男性が読んでもつまらないのかもしれません。
ただ、ページ数、文字数も少なく、内容も難しくないので読みにくいミステリーを読む合間には良かったかもしれません。