歴史的快挙だ!
海外で行われた冬のオリンピックで個人競技初の金メダル選手が誕生した。
(これまでの海外での冬季五輪ではノルディック複合団体でアルベールビル、リレハンメルがあるだけ)
朝、5時にかけた目覚まし時計が鳴ってテレビを付けたら、ちょうどこれから第三グループが滑走に入るところだった。
安藤選手は2番目だ。
4回転を飛ぶと宣言していた通りトライしたが、やはりというか転倒してしまった。
僕はこのときかつてのジャネット・リンのように笑顔を作れるかを注目していたが、やはりそんなことはできなかったようだ。
その後も安定感を欠いた演技で得点も伸びずじまいに終わってしまった。
他の選手をみてもノーミスの選手などいないのだからどの程度でまとめるか。
また、難易度の高い演技を成功させるかというところが得点をキープするコツなのだろう。
そして迎えた最終グループ。
2番目 コーエン
3番目 荒川静香
4番目 村主
6番目 スルツカヤ
この順番がよかったと思う。
メダルを争う選手で最初に演技をするとなれば、後の選手が高得点となることを考慮して難易度を落とすわけにはいなかい。そして最後に登場する場合、先の選手がある程度の得点を取っていればそれを超えるためのプレッシャーがかかる。荒川、村主の順番は単に自分の演技に集中できる条件があったのだ。その状況でコーエンが2回も大きなミスをしたので、それを超えればとりあえずメダルは取れるという状況もできていた。荒川静香選手が演技する前まで大きなミスをしていない選手などいなかったのだから、荒川選手は無難にまとめればよかった。それでもそれをやり遂げることがいかに難しいかということは選手や元選手が一番わかっていることだろう。
それにしても、ジャンプでは3-3回転が3-2回転などになることはあっても大きくバランスを崩したり、転倒がなかったこともあって後半の見せ場であるイナバウアーでは観衆を魅了し、大きな喝采を浴びていた。後はフィニッシュを最高の笑顔でまとめるだけだ。
演技終了後は観客層立ちのスタンディング・オベーションだ!
こうなれば高得点がでないはずがない。
予想通りの高得点がでた。
次は村主選手の登場だ。
何とかコーエンを抜いてメダルを獲得して欲しいと願う。
演技そのものに大きなミスはなかった。
演技終了後も荒川と同じようにスタンディング・オベーションだ。
それなのに。。。得点は抑えられた。
得点が出る前に解説の佐藤由香が3回転の回転不足と取られないか?
また、高得点を稼げるスピンがなかったことなどの心配を述べていた。
それでも、2回も大きなミスをしたコーエン選手より下の得点に納得などできるはずもない。SPでもそうだったが、今回の村主選手の採点はおかしい。
今回のオリンピックで荒川選手はパーソナル・ベストをSP、FPともに更新したようだ。これは自分のピークをオリンピックにもってきたことであり最高のコンディション作りができたことを表している。
それにしても、SPのときの演技後のインタビューでも言っていた通りこれまで回転不足などででなかった得点が本人もビックリの高得点だったのは要因は何だったのか?
フィギュアの女子シングルと言えば、夏のオリンピックで男子マラソンがそうであるように、冬季オリンピックで一番の花のある競技だ。
世界でもっとも注目される競技なのである。
現地イタリアでは大手新聞のガゼッタ・デロ・スポルトで大々的に紹介されていたそうだ。また、海外メディアによると今回のオリンピックの日本のメダル数は荒川のメダル1個というのが予想だったそうである。
要は海外に一番名前が知られていたということなのだ。
確かに、2004年世界選手権のチャンピオンであることから一定の認知度はされているものの、日本国内の最近のメディアの露出度では安藤選手や浅田舞選手の方が多かった。また、1月の全日本選手権でも
3位であり、国内チャンピオンでもない。それにGPシリーズやGPファイナルなどを見ても、中野ゆかり選手などの台頭もあり国内では存在自体が霞んでいた。
同じ演技で日本人だけの採点者だったら村主選手と荒川選手であんなに差はつかなかったのではないだろうか?
これから、テレビ、新聞、雑誌等で採点についていろいろな検証があると思うのでそれを見てみたいと思う。
今回の金メダルはメダルゼロのままだった日本に最高のプレゼントとなり、見ている我々もとても感動したが、村主選手の涙を見てちょっとほろ苦い思いのあるうれしさである。
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