いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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神様が創った試合 山下・星稜vs尾藤・箕島延長18回の真実

今年の夏の高校野球が終わってしばらく経った。

しかし、9月になってまた僕の頭の中はまだ高校野球に占領された。

それは、子供の頃に見た伝説の試合「箕島vs星陵」の延長18回の試合を綴った

「神様が創った試合 山下・星稜vs尾藤・箕島延長18回の真実」

という本を読んでいたからである。




この「箕島vs星陵」の延長18回の試合が行われた頃、

僕は野球少年でボールを追いかけるだけではなく、

漫画でも「キャプテン」「プレイボール」「しまっていこうぜ」「ドカベン


などを読み、

テレビでも毎日プロ野球を見るような毎日だった。

そんな野球に夢中になっていた頃、この試合を生中継で観たのだ。



僕が見た高校野球史上で一番印象に残っているピッチャーは、

松坂大輔でも、桑田真澄でも、ハンカチ王子斎藤佑樹くんでも、江川卓でも、サッシーこと酒井一圭でも

剛速球の小松辰夫でもない。

アウトローへの正確無比なコントロール、変幻自在の変化球を操った

箕島高校春夏連覇投手、石井毅こそ印象深いピッチャーである。

箕島高校は県立高校ということもあり、

高校野球の世界ではなぜかけなげな存在に見えて応援していた。



片や星陵高校はユニフォームの色とか山下監督のイメージもあって、

そのときまではあまりいい印象ではなかった。

箕島の尾藤監督は試合中に笑顔で選手に接しているが山下監督は何だか選手を道具のように

扱っているように見えたからだ。

もちろん、尾藤監督も練習のときには厳しいというのは想像できたのだけれど、

やはり根っこの人間性の違いが表情から見て取れたのである。



さて、伝説の試合だけれど、この試合のスコアは以下のようであった。


   1 2 3 4 5 6 7 8 9 11  12  13  14  15  16  17  18

星陵 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0

箕島 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 1



この試合は星陵・堅田、箕島・石井両投手の好投がなければ存在しなかった試合である。

星陵が点を取れば箕島も追いつくという珍しい試合だっただけでなく、

延長12回には箕島はツーアウトランナー無しから1番嶋田のホームランで追いつき、

さらにすごいのは延長16回もツーアウトランナー無しから6盤森川が打ちあげた

ファーストへのファウルフライを取りに言った一塁手の加藤が人工芝の生え際に足を引っ掛けて

転倒してしまい落球したあとに、ホームランで同点に追いつくという

当時の水島武蔵氏の漫画でもありえないような試合だったのだ。

嶋田の強打者ぶりは知っていたし、初球だったからまだホームランを狙って打ったのもわかる。

しかし、森川のときは6番バッターの2年生だし、2-1と追い込まれていたから

まさかと思った。ファイルフライを取り損なったときは、野球漫画をよく見ていたから、

「ここでホームランが出るとマンガだね!」

と言ったら出たという信じられないホームランだった。



そして簑島が延長18回裏にサヨナラ勝ちするのであるが、

試合後の僕が熱狂のあまり放心状態になって、更なる野球にのめりこむようになったのは

言うまでもない。



この試合のあと、箕島高校は接戦の試合をものにして見事春夏連覇を成し遂げてしまう。




今回読んだ本では、この試合の詳細だけでなく、裏側の話しや周辺の人々のストーリーなども

読み取れてなかなか面白かった。

このときのチームはその後、メンバーを再集結させて再試合と再々試合を行っているそうだ。

2004年に行った試合では全国からの高校野球ファンが1000人も集まったそう。


その試合でファーストのファイルフライを取れなかった加藤さんは、人工芝のシートを


一塁ファイルエリアに置くという演出をしたそうである。なかなか気が利いてる。


当時、イケイケだった星陵の山下監督もこの試合から多くを学び、その後はかなり

人間的にも成長したようで、その後の甲子園での顔はかなり変化が見られた。

人間、いくつになっても成長するものである。


来年もまた、このような熱戦を期待したい。

この試合に思い出を持っている人はこの本はお勧めですよ!