いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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連れ合いのすすり泣き…手術までの不安な時間

手術の前日の夜、連れ合いも僕も神経が過敏になっているのか、

落ち着きませんでした。

連れ合いに息子の様子を聞くと、特に甘える様子もなく淡々と気丈に

しているらしく、その成長振りに関心している様子でしたが、

しばらくすると、連れ合いが隣の部屋で一人ですすり泣いている声が聞こえてきましたので

やっぱり母親としてはそうとうつらいんだろうと切なくなりました。

それで、やっぱりこっちも気になってなかなか寝付けませんでした。



連れ合いに起こされて目が覚めました。

息子の手術順は5番目ということでしたが、

朝、8時半に病院に来るように言われているとのことでした。

今すぐ出ないと間に合わないと言われてすぐに支度して車を出しました。

病院までは標準で1時間半かかるところです。

残り1時間5分ほど。間に合うだろうか?



夜間のように車が少ないと40分ぐらいしかかからないんですが、

朝の混雑時には2時間弱かかるそうです。

連れ合いが渋滞のポイントを避けるように地図を見て道路を選びながら

病院に向かいましたが、15分ほど送れてしまいました。



到着がちょっと遅れましたが、何の問題もなかったようです。

既に息子は前日から点滴を受けていました。

前日の昼から絶食状態になっていて昨日、1回目の浣腸をして

この日の朝にも浣腸を受けたそうです。

それでも表情は普通にしていました。

最初、本を読んでいましたが、昼近くになるとテレビで野球のワールドシリーズ

楽しく観ていました。

息子は今野球をやっているのでテレビでも野球を観るのが楽しみのようです。

この日はヤンキースの優勝と松井がMVPになった瞬間を見ることができました。

息子はときどき笑い顔も見えてましたが、こちらは、この試合が終わるのが先か、

息子の手術に呼ばれるのが先か、気が気ではありませんでした。

僕は緊張しているのか右の目の下がときどき痙攣していました。



息子のいる部屋は6人部屋で他の病気の子供も入院しています。

泌尿器科だけでなく、形成外科の患者さんも一緒の部屋だったのですが、

この日は他に4人の子供がいて、4人とも形成外科で下半身の骨の病気の

ようでした。そのような子供は長期入院の子もいて、大変なようでした。

それでもそういう子供達はどこかが痛いわけではないので、元気いっぱいで

明るかったのが救いです。



向かいの子供も下半身の骨の発育に問題のある病気のようでしたが、

付き添いに来たおばあちゃんらしき人と話したとき、

こちらが今日泌尿器の手術だという説明をしても同じ部屋にいる子供が

みんな足に包帯を巻いているような感じだったのでぴんときていないようでした。

いろいろな病気でそれぞれ悩みを抱えているのです。



野球を見終ってしばらくして、午後3時の10分程前だったでしょうか?

看護婦さんが移動式ベッドを持って手術の順番が来たと迎えにきました。

男の看護士さんに抱えられてベッドに移動してもらって部屋を出ました。



運ばれていく途中、さすがに息子は不安そうな顔をしていました。

それでも、何も言わずにエレベータのところまで来て、

看護婦さんにエレベータの向かいの控え室で待つように言われました。

エレベータが来るまでのちょっとした時間で看護婦さんに、

「自分の手術のときには、足に血栓防止のポンプをつけて、それが気持ちよかったん

ですけど子供もつけるんですか?」と聞くと、

「子供はあまりつけないみたいですね」

と返ってきました。

こういうときはあまり感傷的な話しはしない方がいいかなという気持ちもあったのです。


連れ合いは息子の手を握ってあげていました。



しばらくしてエレベータが開いて息子は手術室へ運ばれていきました。

時計を見るとちょうど午後3時を指していました。