いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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手術後の息子の様子

執刀医の説明が一通り終わると、

「しばらくここでお待ちください」

と言って、執刀医は手術室に戻ったようだった。

少しの間、エレベーター前のベンチで息子が出てくるのを待っていた。



すると、待合室で手術が長引いてるとの説明を受けていた夫婦がすぐ近くのICU(集中治療室)

から出てきた医者に呼ばれて行って、しばらくして僕らの横のところに戻ってくると、

心配で駆け付けたおばあちゃん、おじいちゃんなどの親戚3人に対して、医者からの手術経過の

伝え聞いた内容を説明しようとしていた。

奥さんの方は最初から声を震わせて泣いていて言葉にならず、旦那さんの方が説明しだしたのだが、

人口心肺がどうのとか、どこどこの臓器と臓器がどうとか聞くに堪えないような

大手術を受けたようであり、見ると旦那さんの方も泣きながら説明しているようだった。

そして、なんとか無事手術も終わってICUに入って安心な状態になっているとのことで

どうやら感動して泣いているようだった。

こういうのを見ると、うちの息子の手術などかわいいものだと思ってしまう。

世の中、重い病気などで苦しんだり、その他の理由で悩んでいる人などゴマンといるのだ。

健康で大きな悩みもなく暮らしてる人を羨ましく思うけれども、

自分たちだけ苦しんでるわけではなく、もっともっと困難な事実に直面している人が世の中には

たくさんいる。

そういうことを胸に刻んでおかなければいけない。




そういうことを考えていたら、エレーベーターの中から子供が泣き叫ぶ声が聞こえてきた。

連れ合いはうちの息子だとわかったようだ。

エレベーターのドアが開くと、やっぱりうちの息子だった。

何事が起ったのかというような勢いで大声で泣き叫んでいる。

おかあさん、おながいたい。おしっこしたい。おなかいたい。しぬー。

ベッドを引いている看護婦さんが「ほら、お母さんだよ」と言っても、

さらに、同じように「おなかいたい。しぬー。おかーさん」と連発している。

廊下にいる人や周囲の人も何事が起ったかのような目で見ている。

尿管や点滴がつながっている状態だから、みんな心配そうな目で見ているけど手術は終わったのだ。

そのまま泣き叫びながら病室まで移動する。

病室ではベッドが奥まで入らないため手前の廊下側のベッドに移動することになった。
(手術前は窓側のベッドだった)

病室のベッドに入っても、錯乱状態は続いている。

おしっこをしたいといってるので、看護婦さんが尿の溜まっているものを見せて、

「ここに溜まるからおしっこしていいんだよ」と説明していたものの

息子は恐怖に震えているのか、あごと唇を痙攣でガクガクさせて、

「おなかいたい、しぬー」を連発している。

手術前とのあまりの変貌に病室内の他の子供や家族をあっけにとられている。

僕は見るに堪えない気持ちだったけれど、連れ合いは落ち着いていて、

「もう大丈夫だよ」を手を握ってあげていた。



看護婦さんに痛み止めのことを聞くと、背中に針金のようなものを刺して、そこから痛み止めを

体内に注入しているらしい。



30分ぐらいすると、少しづつ落ち着いてきた。

息子も叫び疲れたのか、痛み止めが効いたのかわからないが、少し眠ったようだった。

また30分ぐらいすると、起きて普通に喋り出したものの、

「おなかいたい。おかあさんに朝まで一緒にいてほしい」

と言って、「これ(点滴や尿管のこと)、明日には外れるんでしょ」と言ったので

「そうだよ」と言うと安心したようだった。

この辺のことは手術前に、僕の手術の時の事をちょっと聞かれていたので

息子に恐怖感を与えないように教えていたので、その辺は、お父さんの経験から

少し安心感もあったようだった。

手術は麻酔をかけるから痛くもなんともなくて、1秒で終わった感じがするよと

教えていたのだ。



それから、息子の気になっていたプロ野球の日本シリーズをラジオで聞いていたので

イヤホンで聞くかと思ったらさすがにそういう余裕はないようで、僕がラジオで聞いていたのを

途中経過として伝えるようにした。

そういう状況だったので、連れ合いが本の読み聞かせをしていた。

しばらくすると安心したのか眠ってしまった。

次の日にわかったことだけど息子はこのときの錯乱状態のことはまったく覚えておらず、

手術室で「息を2回吸ってー」と言われた瞬間から、次の瞬間がお母さんに本を読んでもらってる

ところだったそうだ。

全身麻酔から覚めても記憶がないとは、よくわからないものだ。



息子はお母さんに朝まで一緒にいて欲しいようだったが、ここの病院は完全看護システムで

付添はできないので夜9時になると親でも帰らないといけない。

息子も親も不安になるけれどしょうがない。

息子も眠っていたのでそっと帰ることができた。