いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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楽しいSAがあるのは意外にもあの人のおかげ?

少し前、「高速道路の謎/清水草一:著」という本読みました。

昨今の高速道路政策が議論を呼ぶ中、その1000円乗り放題プランの影響に始まり、
渋滞のメカニズムや全国の渋滞ポイントの情報、下道と高速との競争実験など非常に
興味深い内容が掲載されています。


【内容情報】

事故渋滞の高速と下道速いのはどっち?日本最初の高速道路の長さは?
日本一ひどい渋滞はどこ?ヨーロッパで対面通行の高速があるのは?etc.
高速道路にまつわるさまざまな事象を、
交通ジャーナリストが多彩なデータと現地取材から解き明かす。

【目次】

第1章 1000円乗り放題プランの影響
第2章 渋滞の基礎知識
第3章 高速道路の歴史
第4章 今後開通する注目路線
第5章 愚兄賢弟の東京・大阪・名古屋
第6章 海外の高速道路
第7章 変化し続けるサービスエリア
第8章 情熱のジャンクション
第9章 ETCが高速を変えた
第10章 高速道路無料化の是非


まず、興味を引いたのは、渋滞のメカニズムです。
事故渋滞ではない自然渋滞はどのようにして起こるのかというと
原因の1つは、通称”サグ”と呼ばれるなだらかな上り坂が原因らしいです。
中央道登りの小仏トンネル付近、関越道の下り花園IC手前
東北道下りの上河内SA手前東名高速大和トンネル付近綾瀬バス停などが
有名な『サグ渋滞』ポイントだそうです。


あっ!すみません。ここを見てくれている方には関西の方が多いですから関西方面も
載せておきますね。
関西で言えば、名神高速道路の高槻バス停付近中国自動車道宝塚トンネル付近
が『サグ渋滞』に当たるそうです。


これでピンときますよね。


上の説明で何か気づくところがあると思います。
実は日本の高速道路で名前に「高速道路」と付くのは、
名神高速道路」「新名神高速道路」と「東名高速道路」だけなんだそうです。
他はすべて「自動車道」という名称になっています。
東北自動車道」「中央自動車道」という風に”高速道路”というが名称がついてないんですよね。
このこともこの本の中で解説されていて面白かったですね。


他に指摘されて面白かったのは、日本政府の大阪軽視の歴史です。
大阪の高速道路事情は政府の大阪軽視の考え方が今になって幸いしているらしいです。


それは、大阪を軽視しているから名神高速道路が大阪の中心街を通っていない
ことが深刻な渋滞を引き起こしていないだけでなく、今後の大阪周辺の高速道路整備に
都合がいいとのことです。
これは、やみくもに建設された首都高速とは雲泥の差だそうです。

それと新幹線も大阪駅を通過しておらず、新大阪となっているのは大阪軽視以外の
何者でもないということです。
東京なら無理やりにでも東京駅に止めるはずだというのです。
確かに東北、北陸、長野新幹線は当初上野止まりでしたが、結局東京駅発着に
なりました。
あながちウソでもなさそうな言及です。


サービスエリア(SA)についても興味深い内容が掲載されていました。

日本のサービスエリアは今や世界一充実しているそうです。
本屋さんに単独でサービスエリアガイドような解説本が置いてある国は他にないそうです。
日本のサービスエリアは置いてあるおみやげ物や名物品、名物料理など
それだけで観光地となっているところもあり、それは世界的にもない光景だそうです。


実は日本のサービスエリアも以前は経営がずさんで、
レストランの店員のバイトなどいいかげんし放題だったそうです。
それがサービスエリアの民営化で今のように変貌を遂げたそうです。

当初、サービスエリアの民営化に際して官僚が持ってきた案では
日本を地域別に分けた案だったそうです。
それを持ってこられた大臣が
「こんなのじゃ話しにならん。隣り合うサービスエリアごとに別会社にして競争が起きるようにしろ」
とつき返して今のようなサービスエリアの充実になったとのことです。

このときの大臣がなんとあの亀井靜香さんだったそうです。
この人、どうも以前から僕にはいいイメージはなかったのですが、
以外といいことやってるんだなーなんて思っちゃいました。


この本の最後には、今話題の高速道路の無料化についても言及されています。

こういう機会に高速道路について勉強する意味でもこの本はお勧めです。