いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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やっぱ、里美ちゃんでしょ💕🎵🎵

私の最も恐れるものは、里美に恋人が出来たというニュースである。「大ニュース」という言葉と、嬉しくてたまらないような彼女の弾んだ声を聞き、真っ先に連想したものはそれだった。
私にとってそれは世界が終わるようなニュースであり、暗い資料整理と、陰気な老人生活の始業ベルである。


恋したことのある人なら、こういう気分、わかってくれるかな?

絶対に上手くいくとわかっている恋愛なんて、面白いはずはないことはわかってる。

こういうハラハラとした気持ちこそが恋心というものであり、心身ともに健康である秘訣でもある。
実際はそんな俯瞰した余裕はないけれどね。

今、島田荘司の『Pの密室』を読んでいる。
上の引用は、その中の短編「鈴蘭事件」の中の一節だ。

龍臥亭事件で高校生だった里美ちゃんも上京して、女子大生となり、ファッショナブルな服装で再登場である。

キャメルカラーのピーコートにチェック柄の超ミニで黒いタイツを穿いている。
靴はローファーで、
店内に入ってきた一瞬、店内中が彼女を見た。

語尾を伸ばす若い女の子特有のしゃべり方、
整った顔に若さ溢れる明るさ。

女性の一番の魅力はなんと言っても若さである。
どんなに女を磨いても、若さにはかなわない。

島田作品にも数々の美女が登場してきた。
レオナ、加納道子、サラ・マーメイド、
名前は忘れたけど、飛騨高山殺人行1/2の女の主人公など
絶世の美女ばかりだ。
これらは皆、美人特有のプライドとわがままさを兼ね添えている。

しかし、里美ちゃんのようなはつらつとした若さとかわいさはない。

高校のときの初老の古典の先生が言った
『女性は24歳がピークですよ』
は印象に残っているけど、
僕は21歳が女性のピークだと思う。

島田荘司は男だから男のことをよくわかっている。
里美ちゃんこそが男の理想なのである。

龍臥亭事件で石岡くんに突然キスしたりするようなことは、ハイティーンの女の子にありがちだけど、そういうのが自分だけへの行為であることをハラハラしながら信じてる。
それが普通の男というものだ。

御手洗の女に対する達観した思いは、そのまま島田荘司の持論でもあり、
それが世の女性の現実なのである。

本を読みながら、男は里美ちゃんに疑似恋愛してしまう。

今回も事件の推理や展開よりも、冒頭の石岡くんと里美ちゃんのやり取りだけが心に残る。