まゆみさん、前回ははずれだなんていう表現を使って失礼しました。
今回は白夜行よりは若干面白く読み進められました。
ここからネタバレありです。
ただ、読み進めていくうちに結末の落としどころを考えていましたが、
雅也が最後に復讐しに行っても、何らかの方法で雅也が死んでしまうと感じていました。
その予想通りの結末を迎えるのですが、
やはりこの結末は心がすっきりしない!
それとこの結末のシーンにはかなり無理があると思いました。
美冬が加藤刑事に詰め寄られても知らぬ存ぜぬで白を切るわけですが、
その強気の根拠は何もない。
それと、雅也に狙われてると言われても何も動じないことにも根拠はないと思います。
最後に雅也が加藤刑事と自爆してしまうのは単なる偶然でしかなく、
美冬の強気の理由にはならず、美冬が殺されなかったのは偶然としか思われません。
それでもって、最後に船の甲板でそれを知ったかのようなシーンは
あまりにも無理があるような気がしました。
その結末の欲求不満なところがなければ10点満点で7点ぐらいかな?
と思っていたけれど、結末を読んだあとの印象は5点かな?という印象です。
ちなみに白夜行は3点です。
人それぞれで好き嫌いはありますが、やはり結末はアメリカ人の好むような
ハッピーエンドが好きかな?
日本やヨーロッパなどの歴史のある国は映画などを見てもハッピーエンドでは終わらないですね。
最後に印象に残った引用部分を記しておきます。
これはブクログにも書いているところでもあります。
ブクログを見ても人それぞれの感想ですね。
(99ページ、畑山彰子が警官から捜査を断られる際に言われる言葉)
「まあ、そう心配することもないですよ。要するにあれでしょ。あなたに気のある男性が、何とかあなたの気を引こうとがんばってるわけでしょ。それって考えようによっちゃあ幸せなことじゃないですか。
あなたはなかなかの美人だから、まあ美人税みたいなものだと割りきったらどうです。そうそう美人税ですよ、美人税」
先日のテレビでの「世にも奇妙な物語」でも美人税のことがテーマになっていましたが、
世の中では女性でも男性でも美人とそうじゃない人との人生の差をよく考えるということですね。
誰でも外見は気になるし、相手を見るときも気にしているから、こういうことは永遠のテーマなんでしょうね。
(624ページ、頼江が自分のことを思うシーン)
自分が女であることを思い出した、というような単純な話ではない。
そういう意味ならば、女の部分は心の奥にずっと存在していて、その扉を誰かがノックしてくれるかを待っていたといえる。だが同時に、今後そういう日が来ないことも覚悟していた。期待と諦め、その二つを絶妙のバランスで保持しつつ、歳を重ねてきたのだ。
これは、男性でもあるでしょうが、特に女性にとって、歳を重ねることが
どのような意味をもっているかを的確に表現したもので、この本で最も心に残るフレーズでした。