いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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6月17日(土)④ フランクフルト国際空港


程なくして、友人Kから携帯に電話があった。
空港のターミナル1にいるとのことだった。
ちょうど、青年Yが切符を買い終えたところだったので、ターミナル1へ戻った。
戻ったところで、携帯でフロアの記号を問合せていたら、友人Kの姿を確認できた。

外国に出て知り合いと落ち合うとやっぱり落ち着いた気分になった。
友人Kは、ドイツ滞在が楽しくて仕方ないという風だった。
そして、これからどうする?ということになった。
友人Kは、「とりあえず、カールスルーエまで1時間だからおいでよ」
と誘ってくれた。
が、僕はこの日ニュルンベルクにホテルを予約しているし、
ポルトガル-イラン」(フランクフルト)も観たいのだ。
友人Kに今日の「ポルトガル-イラン」を観るか聞いたところ、間髪入れずに「観ない」との返事。
この迷わずに答えたところに、これまでの不安とともに、さらに混乱してしまうことになった。
僕は、とにかく試合をできるだけ多く観たかったので、「ポルトガル-イラン」戦を観ることを前提に考えるようとした。
カールスルーエに行く意味がどれだけあるというのだ?
ただ、僕の到着にわざわざ迎えに来てくれた友人Kに対する申し訳なさもあった。
しかし、友人Kも僕らが、もし、フランクフルトで「ポルトガル-イラン」戦を観てからニュルンベルク
向かうのなら、一緒に観ようかな?と言っていた。

青年Yに「ポルトガル-イラン」を観るか聞いてみると、
とにかく、先にニュルンベルクへ行ってチェックインしてから、観れれば観るということであった。
いろいろ考えたが、青年Yと一緒にこれからニュルンベルクに向かい、おのおのホテルにチェックインしてから
再度、落ち合ってフランクフルトに「ポルトガル-イラン」戦を観に戻って来ようと言う事にした。
時間は十分に間に合うと思い込んでいた。

それから、少しのソーセージ入りのパンやら食料を買い込んで、列車を待つことにした。
フランクフルト国際空港の駅は遠距離列車とSバーンなどの近距離列車ではホームの場所がかなり離れている。
最初、屋外に出る感じでホームを目指したが、そこは違うと問い合わせたドイツ人に言われたので
もう一つの地下のホームの方へ向かったがやはり最初に行った方が合っていたようで再度引き返した。
このときは、先にドイツ入りしていた友人Kが先導していたので、こちらは友人Kに着いていくようにしていた。
自分で調べてこの駅のホームが2つに場所が分かれていることは知っていたのだが。。。
この時点では友人らと楽しく会話しているので、あまりストレスを感じてはいなかったが、
長旅と睡眠不足、重い荷物のことを考えるとこのようなことはかなりの精神的、肉体的ストレスになっていたものと思われる。

そうこうして、ニュルンベルク行きの列車のホームにたどり着いた。
僕は、最近、いつでもそうだが、列島縦断20000Kmの関口知宏さんのように駅で自分と一緒に駅名のパネルを写真に
撮るようにしている。こんなアリバイ写真など、一部に批判めいた考えもあるが、ネオ列車マニアであるし、
とくに時間が経つとどこに何時行ったかなど忘れてしまうものなのだ。
順に写真を撮っておくと行ったところの履歴が出来て便利なのだ。
これは、以前のネガ写真では高額となるため、やる気にはならなかったかもしれないが、今はデジカメの時代であり
撮っても必ずしも紙に印刷しなくてもいいし簡単に何枚も撮りだめしておいても損はしない。
便利な時代である。
今回の旅では、成田空港に続き、フランクフルト国際空港駅で「バシャ!」。

そして、もうすぐ、列車が入ってくるというころになって、時刻表を再度確認してみた。
フランクフルト国際空港→ニュルンベルク→フランクフルト→ニュルンベルク
の時間の確認である。
な、な、なんと!?
ここで、確認できたのはニュルンベルクに滞在たったの7分でフランクフルトに戻る列車に乗らないと
ポルトガル-イラン」戦には間に合わないことに気づいた。
時間計算では大丈夫だと思っていたのが列車の時刻との兼ね合いで間に合わないのである。
時計をみると列車が発車する1分前であった。ちょうど、列車がホームに滑り込んで来た。
僕は慌てていた。これに乗ろうと待っていたが、乗るべきか?
とにかく、僕は、「ポルトガル-イラン」を観ることを考えていた。
とっさに、ニュルンベルクではなくカールスルーエに往復であれば「ポルトガル-イラン」戦を観れると思い、
青年Yに”悪いけど、「ポルトガル-イラン」戦に間に合わないので、これには乗らないでカールスルーエに行くわ”と言った。
列車が入ってきてよく聞こえなかったのが、青年Yが
列車を指差して「乗る?乗らない?」と聞き返したので、
”申し訳ない。「ポルトガル-イラン」戦に間に合わないので乗らない”と答えた。
と、同時に列車のドアが開いた。
青年Yだけがその列車に乗り込んだ。
発車間際に友人Kが携帯の番号が書いてあるだろう紙を慌てて手渡した。
「たぶん、2つ書いてあるうちの1つがこの携帯番号だと思う」
というあいまいなものだった。

なんとも、青年Yには申し訳なくて仕方なかった。
このとき、時刻表を再確認などしなくて、そのまま一緒に列車に乗っていたら、その後の僕の旅は楽なものになっていたことだろう。
しかし、乗って行ってしまった場合、後日の顛末など知る由もなく、別の後悔が頭の中を占拠してしまったかもしれない。

ドア越しの青年Yが遠ざかって行く姿がとても切なかった。