6月17日(土)⑤ フランクフルト国際空港→カールスルーエ
青年Yとは突然の別れとなってしまった。
電話してくれるだろうか?
電話してくれても、番号がまともに伝わっていないかもしれない。
また会えることを願うばかりであった。
そんな、あたふたとしたことがあり、結局は友人Kとカールスルーエに向かうことになった。
日本で僕と友人Kが所属するサッカーチームのチームメイトにトルコ人がいる。
(うちのチームは、延べ10カ国以上の人種が参加したことがあるのである)
そのトルコ人の甥が現在、日本に留学生として来ているため、ドイツのアパートは空き部屋になっている
ということで、友人Kは、そのアパートに滞在することを許可されていたのだ。
そのアパートがカールスルーエにあり、友人Kは先週ドイツ入りしてから
ずっとそのアパートに宿泊していた。
そこに、とりあえず僕の大荷物を置いて行動しようということになった。
フランクフルトでの「ポルトガル-イラン」戦を観るとしても荷物をどうにかしなければならない。
こんなスーツケースの大荷物を持って右往左往することはしたくないし、カールスルーエも
フランクフルトまで1時間と近いので、友人の誘いに乗ったのだった。
しばらくすると、カールスルーエ行きの列車ICEが入ってきた。
最近ではヨーロッパでも日本の新幹線なみの高速列車が多くなった。
ドイツへの訪問は今回が実質的には3回目(厳密な入国履歴としては6回目)であるが、
高速鉄道ができてからの訪問はこれが初めてであり、現在の新型ICEに乗車するのも初めてとなる。
乗車してみると、車内はきれいな内装とゆとりある座席空間が印象的である。
(参考:「ドイツのICE」http://craft-s.com/ja/report/20020707/20020707_1.htm)
特に内装は木質感のある素材とガラスを多用して高級感を醸し出している。
日本の列車は軒並み狭い空間に多くの座席を設置して、内装のデザインもお世辞にもかっこいいとも言えない。
ところが、日本のJRでも1社だけ異次元の列車設計をしている会社がある。
その会社は、・・・「JR九州」である。
鉄道マニアは既にご存知であろうが、JR東日本、JR東海、JR西日本の列車と
JR九州の列車はかなりデザインと設備が違う。
JR九州の列車はデザインが格段によく、かっこいいし、設備もよく、座席もゆったりしている。
先日、帰省したときにも普通電車、特急列車に乗ったがJR東日本の列車とは大違いであった。
普通電車でも、レトロ調に美しい列車もあるし、窓がすごく大きな列車もある。
特に、博多-長崎を結ぶ特急列車「白いかもめ」は車体のデザインもよく、車内の内装もきれいで
カミさんも去年と今年乗ってみて”日本一きれいな特急列車”と言っていた。
僕も、これまで乗ったことのある特急列車では間違いなく一番だと思う。
「白いかもめ」はドイツのICEのように車両の両端のドアがガラスでできており、
座席は黒い皮で覆われた高級感のあるソファのような座席なのである。
これが普通自由席なのがすごいところだ。
(参考:「白いかもめ」http://www1.plala.or.jp/uu/kamome.html)
JR東日本の列車や新幹線のグリーン車座席よりも豪華なつくりなのである。
それに、デザイナーのセンスがいいのだろう。とにかく、文字の使い方といい、列車エンブレムの
かっこよさといい他のJR各社も見習ってほしいものである。
九州新幹線新幹線「つばめ」もまだ乗ったことはないが、写真で見る限り、センスのよさそうなデザインだ。
(参考:新幹線「つばめ」http://www1.plala.or.jp/uu/tsubame800.html)
話しを乗車時に戻そう。
そのICEに乗っったときには、空いた席があったので2人隣同士で座ることが出来た。
友人Kからの事前の情報によると、ワールドカップ期間中ということもあって座席には予約していないと
なかなか座れないということであったが空いていた。
フランクフルト国際空港→カールスルーエ間は試合とは直接関係ない路線なので、空いているのだろうと思った。
久々に見るドイツの街の車窓は日本のように山がちな国ではないので、トンネルも少なくなだらかな
丘陵地帯の風景が流れていく。家々を見ているとドイツ風であり、日本の家とは外観が異なるので
いやが上にもヨーロッパに来たことを実感する。
それよりも、今回の旅はカミさんからビデオ撮影を頼まれていたので車内の風景や車窓の風景など
さっそく撮影に忙しかった。
また、ドイツに着いたばかりなので友人Kとの会話も、これまでのドイツ滞在の様子などを聞きながら
話しが弾んでいた。
1時間ほどすると、列車はカールスルーエのホームに滑り込んだ。