いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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島田荘司氏の女性観

島田荘司作品は毎回奇想天外なトリックが売りです。

でも、僕は作品に出てくる場所の描写とともに
作品に登場してくる女性や女性論が楽しみです。

ミステリー小説というと男性読者が多いからなのか?
一般的に作品の中に登場してくる女性というのはいかにも男性が好みそうな美しくておしとやか系の女性が多いものです。
実際にその方が売れるということで編集者側からのオーダーもあるのかも知れません。

ところが、島田荘司作品に出てくる女性はというと、美しくこそあれ、女性の内面をストレートに描いています。
女性の本音の醜い部分をミステリー小説の中でたびたひ書くというのはなかなか他には見当たりません。

逆にそのことが受けているのか?
島田荘司には女性読者のファンクラブまであると聞きます。

島田荘司作品にはたびたひ登場するちょっと派手めな美人タイプですが、
いつも内面の性格は現実的で打算的という女の醜さを表現しています。
これらのタイプには
松崎レオナ、「サテンのマーメイド」のサラ・マーメイド、「飛騨高山殺人行1/2の女」の斎藤マリなどがこのタイプです。

特筆すべきは吉敷の元妻である加納道子。
質素な風で良さそうだけど何考えているかわからないところがあります。

島田荘司作品を多く読んでいると、島田荘司氏はよっぽど女で痛い目にあっているんだなと思います。f(^^;(^o^;)
時々、女性全体が敵であるかのような表現もかいまみることがあります。
暗闇坂の人喰いの木」ではこういうシーンがありました。
石岡君が30歳前後の独身女性に身の回りのことを相談されたときの御手洗の発言で
「君は30前後の独身女性の焦りがわかっていないのだ」

また、「サテンのマーメイド」のサラ・マーメイド、「飛騨高山殺人行1/2の女」のところではさらにそういう女性全体をまとめて
女というものはみなこういうものなのだというような表現があったりします。

それでも男というのは美しい女性には憧れるもの、島田荘司氏もそこのところの
憎いけど好きになってしまう矛盾みたいな状態を表現しようとしているのかもしれません。

まだ読んでいませんが、これから登場してくる犬吠里見(字がちがうかも?(・・;))が楽しみです。

また、今度読む予定の「アトポス」でもレオナが登場して女性論が展開されているとのことなので楽しみです。