いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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不備もある日本の民事裁判

結局、車の修理代金は18万円ちょっとになった。
代車も無料で1週間ほど借りられたので良かった。

この代車であるが、同時期に連れ合いが主婦の乗った車とドアミラーの接触事故を起こし、
相手は止まっていたということで、こちらが100%賠償責任があることはしょうが無い
ことだととは思うが、主婦が旦那に電話をかけてからはその旦那から代車費用も請求しろと
言われたらしいことを思い出した。

このときは大した金額ではなく保険の免責範囲内だったのでそのまま代金を送付した。
そのとき代車費用をどうしたか忘れてしまったが、代車費用なるものは払わなければ
ならないものなのか調べてみた。

すると、それは条件によるものだということがわかった。

裁判での判例をみると大抵は認められているようだが、以下のような場合は認められていない
判例があるようだ。

①代車を借りていない?
②借りたとするが立証がない?
③支出がない?
④金額が不明である?
⑤代車を借りなくても他に車を持っている?
⑥代車の必要な期間を超えている?

⑤以外は論外であるが、連れ合いのパターンはその⑤にあたり、主婦のセカンドカーだったのだ。
その場合はそのセカンドカーでも以下のような条件を満たせば認められるとのことだ。

①日常、どのように車を使用しているのか?
②事故によって使用出来なくなったこと?
③代車を借りてどのように使用したか?
④その費用がいくらかかったのか?

しかし、①の証明を文書でするのは難しいような気もする。
口頭では駅までの送り迎えだとか何でも適当なことは言えるけれどそれを証明するのは難しい。
裁判ではその証拠がなければそこを指摘すればいいのではないか?

また、費用がいくらかかったか?それを全額というのも疑問である。
代車を利用する場合、

①修理工場で無料の場合
②修理工場で小額の場合(1日1000円以内)
③別途レンタカーを借りる場合(1日5000程度と想定される)

ような場合があると思う。
①②であれば問題ないが、③だと問題だ。
軽微な事故の場合などは代車費用の方が高くなることすらあり得ると思う。
こういう場合にも裁判所は代車費用の全額支払いを認めるのだろうか?

事故相手が納得できない請求をしてきた場合は調停機関や裁判の結果がでるまで
払わない方がいいかもしれない。

こういう交通事故紛争では、日本の法律では懲罰的賠償を認めていないので
事故そのものの損失額以外での慰謝料などは認められていないからだ。
相手がちょっと理不尽な引き延ばし工作をしたりしても
損害額に対する賠償比率そのもの以外の支払いは認められない。

これは日本の法律の特色なようでちょっと問題があると思う。

ある意味こういうことである。

「万引きをして見つかったが、商品を戻したら何も罪は問われない」

こういうことなのである。
交通事故紛争などで裁判になっても民事なので賠償額の多い加害者となっても被告でも
前科などは付かないのである。
もちろん万引きは刑事罰を受けるが、交通事故紛争などによるもので懲罰的賠償が
認められないのはまったくおかしな法律である。
これを知っているから損保会社などはすれすれの汚い交渉を仕掛けてくる。
適当に理由を付けて引き延ばし工作すれば相手がしかるべき調停機関や裁判所に訴えるまで
支払わなくていいのだ。
しかも裁判などになっても支払いは当初の比率だけで引き延ばし工作をしたということの
懲罰的損害額を余計に支払うような判決は出ないのだ。

ただ、かなり理不尽な対応が証拠によって事実認定されれば、
調停案などで支払い支持がでることもあるようだが、かなり難しいようなのである。

このことは
臆病者のための裁判入門
http://www.tsutaya.co.jp/images/jacket/08136/9784166608836_1L.jpg
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/w_cup_win/20191104/20191104143130.gif
という本で知った。
この本は素人にもわかりやすく、素人の裁判の実体験をドキュメント風に書かれているので
読みやすく、とてものめりこんで読める。面白くて一気に読んでしまった。
交通事故紛争以外にも参考になるのでお勧めの本である。

紛争時の解決方法で裁判外の方法もいろいろ紹介されていてとても役に立つので
読んでおくこといいと思う。