いつも笑顔で!(「水平線の先にある夢」の続きブログ)

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手紙…(1)

またまた、東野圭吾さんの「手紙」を読みおわりました。

読み終わって最初に感じたのは正直「重かったな」でした。

最後の方で何か物語を大きく変化させるような仕掛けがあるとも期待してましたが、
そういう小説ではなかったですね。

犯罪者の家族というだけで差別を受ける社会というものを読者に付きつめています。
確かにそれは否定できないものでしょうね。

自分が悪くなくても自分と関係している人の影響を背負って生きていかなくてはならない。

こういうことはなにも家族という枠ではなくて、
例えば学校などでも生徒一人の不祥事で甲子園出場辞退などに至る経緯もある。
社会の中の組織の一員というだけでそのグループの影響も受けるものなんですね。

作品の中でも「世間が分かっていない」というフレーズが響いています。

そういう点をよく考えてみると、自分はかなり世間知らずな部類に入るんだろうなと思います。
苦労している人ほどそういうものが分かっているのかもしれませんね。

そういうことを考えていると、自分は幸せなんじゃないかと思えてきます。

先日読んだ「時生(トキオ)」でも、こういうフレーズが印象に残っています。
主人公(時生の父親)の彼女の友達、竹美が言った一言です。
「あんたに配られたカードは、そう悪い手やないと思うけどな」
これは生まれついた環境のことを指しています。
自分自身ではどうしようもない宿命とでもいうんでしょうか?
どんな環境の家に生まれて育つのかということです。

大抵の人は満足してないんじゃないでしょうか?
僕も子供の頃から周りの友達と比べて、どうしてこんなところに生まれたんだろうなんて
考えることもありました。

しかし、さすがに大人になってしばらく経ってからは
逆に恵まれていたなんておぼろげに思っていました。
さらに最近読んだ東野圭吾作品の「時生」や「手紙」その他の作品を読んでさらに
それを実感します。

なかなかいい作品を読ませてもらったと思います。
今後の人生にも勇気が湧いてくるし、幸せを実感できます。

この本を読んでイマジンの歌詞が気になってもう一度探してみました。
歌詞付きの映像を見つけました。



誰でも差別は好きじゃない、でも現代の人間ではなくすことができないものなのかもしれません。